『がんを生きる』を読みました
佐々木常雄著『がんを生きる』を |
昨年12月に発行された比較的新しい本です。
私の母ががんで亡くなった時代20世紀には、本人には告知せず(知っていたかも)に逝きました。
しかし今「患者本位の医療」の名の元に、本人に『もう治療の方法はありません』、
『余命はあと○○です』と告げる時代で、こんなに本人に死を目前に突きつける
かつてなかった時代になっています。
身体的にはフォーローがあっても、心 端的に言ってしまえば『死への恐怖』へのフォローができない、
あるいはまだ模索中のこの時代に、
2000人を看取った医者が患者や家族への
乗り越えるための ヒント が書かれています。
宗教が深く根付いていた時代や、
家族と医療側だけが情報を共有して、患者が知らないまま逝ってしまう時代
の方がむしろ良かったのではとも・・・。
が、もう後戻りはできない出来ないわけで
心へのフォローをどうするかが、大きな問題になっています。
『哲学者ハイデガーの云う良心の叫び声』
あるいは人は誰でも持っている『安寧になれる心』
をどうやって引き出すか、のヒントが書かれています。
現在、寛解しているとはいえガンを患っている自分としては
考えたくないが考えずには通り過ぎられない問題を考える機会を得ました。
2人に1人はガンに罹り、3人に1人はガンで亡くなる時代の今
心へのフォローがもっと出来るようになるように願わずにはいられません。